なんの変哲もない四人の物語
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 あなたは道なき道を歩いていきます。
 しばらく進んでいくと、赤いバラの咲き乱れる庭に出ました。
 ここではどんな物語が紡がれているのだろうと、あなたは庭を見渡します。
 どこからか複数の人の声が聞こえてきました。

「バラ、きれいですね、ハルウさま」
「そうだな」
「ダンナ、そこはオマエのほうがきれいだ、とか言うとこだろ」
「なっ……!」
「アケヒ、ハルウさんをかわかわないの。アケヒと違って純なんだから、かわいそうでしょ」
「ひでぇ言いようだな」
「本当のことでしょ」
「ふふっ、お二人は本当に仲がよろしいんですね」
「……どこをどう見たらそうなるの、ミンメイさん」
「毒気抜かれるな」
「何か変なことでも言いました?」
「なんだかんだで、ミンメイさんが一番最強だよねってこと」
「ミンメイは人の気持ちを明るくさせるのが得意だからな」
「実感こもってんな、ダンナ」
「……それは、そうだろう」

 仲のよさそうな四人の会話に、あなたは気が抜けてしまいました。
 どうやらこの物語にはあなたが介入する必要はなさそうです。
 ヒーローとヒロインが、それぞれ悩み迷い、苦しみ悲しみ時に喜び、ハッピーエンドを勝ち取っていくでしょう。

 あなたはあなたの助けを必要とする物語を探すために、また元の道に戻っていきました。
別の物語をハッピーエンドにしに行く
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