1・慈愛深き天が代わりに泣いてくれるから、人は涙を忘れていく。
2・雷は神鳴り。天は人の愚かさをお嘆きあそばされている。
3・如何なる時も仰げばそこにある天は、一番の理解者ながら一番の傍観者である。
4・いつもうつむいてばかりいて、天の青さすら気づけなかった。
5・白い白い天上から、暗い暗い地上へと、白い白い雪が降る。
6・誰そ彼、と尋ねる必要のない地上の明るさに、天は嘆いているかもしれない。
7・天照る星々に願掛けなど、叶わぬ望みと知るが故だろうか。
8・夕暮れ時の天は血などと比ぶべくもなく鮮やかで妖艶で……哀しい。
9・七色の幻影は天女の羽衣のように儚く清浄で、汚れた己をあらわにする。
10・どんなに手を伸ばそうとも、天は高く遠くに存在し、地に住む我らに届くはずもないのだ。
11・闇色の天に呼び覚まされるは不安と言う名の心の影。
12・地上のどの紅よりも美しく染め上げられた暁は天つ神の怒りの色をしていた。
13・天災は一切の慈悲を持たず、哀れな人間は抗う術を持たない。
14・この広く果てない天の下で、今日も私は深いため息をつく。
15・調和を乱し、母なる大地を破壊し、神を冒涜する人々には、いずれ天罰がくだるだろう。
16・通り雨は気紛れな天の性質を顕著に表しているように思えた。
17・人々の小さく微かな願いごときに高尚な天が気づくはずがない。
18・晴れ晴れとした蒼天は一点の曇りも許さず、微かな罪すら見過ごさぬ裁きの番人のよう。
19・海は天と同じ色を持ちながら、けして交わることの叶わぬ堕ちた空。
20・あの日見上げた天は己を慰めるよう叱咤するよう眩しい光を投げかけていた。