1・猫は不器用に愛を求め、犬は貪欲に血を渇望する。
2・僕はぬくもりが欲しいだけなのに、皆はどうして冷たくなっていくんだろう。
3・優しく差し伸べられた手は、ただ利用するための偽りでしかなかった。
4・昔は心細いときは泣いていた。今は心細くなると犬の名を呼ぶ。
5・突き放すような物言いに、反論できるほど強くはなくて、僕はただ俯いた。
6・僕は犬が好きだけれど、犬は僕を道具としか見ていないのだろうか?
7・赤く紅く染まった僕の手を、そっと包み込んでくれるぬくもりがあった。
8・犬が僕をからかうのは、本当は寂しさを紛らわせてくれてるんだと知ってる。
9・片時でも離れているとひどく不安に駆られて、痛む胸を強く抑えた。
10・命の重さが分からない僕も、犬と同じくらい狂っているのかもしれない。